ネコと多頭飼いの注意事項
ネコと多頭飼いの注意事項
ネコ愛好家の人ならば、みなさん多頭飼いに憧れるのではないでしょうか。
ネコ同士が親しくモフモフしていると、それだけで飼い主としては2倍も3倍も幸せな気分になりますよね!
でも、ネコには人間と違う感性もありますから、キチンと準備の上で2匹め、3匹めをお迎えしたいものです。
多頭飼いのメリット
・ネコ同士、遊び相手ができる
・飼い主の留守中も寂しくない
・社会性が身につく(グルーミング・甘咬みなど)
・飼い主の癒し
多頭飼いのデメリット
・病気の感染
・特に先住猫のストレス
・トイレや食事、掃除の手間
・災害時の対応
・かかる費用
まずは費用面ですが、ざっくり見て「ネコ1匹50~80万円」が生涯にかかると言われています。
また、賃貸のマンションなどでは、ペットの頭数制限があるケースが見られますので、契約を確認した方がいいですね。
次にネコ同士が健康であることが条件です。
ネコを購入、ブリーダーから譲り受ける場合はクリアしていると思いますが、野良猫や保護猫を救出する場合などは大事なことです。
また、迎え入れた後も年1回のワクチンを接種する、去勢避妊手術を考える、年齢に見合った食事を用意するなど、個別の健康管理は大事です。
そして、なんと言っても、ネコ同士のストレスを緩和するように心を砕くことが大切です。
・飼える頭数=ネコが自由に動ける部屋-1
・猫トイレ数=頭数+1
このようなことが言われますが、特に先住猫のストレスを緩和するために、各ネコさんのプライベートスペースを用意する必要があります。
キャットタワーやお気に入りのクッションや箱などでテリトリー確保、ケージの場合は先住猫と新人は分けることが大切です。
健康面だけでなく双方の精神面からも、2週間くらいは分居が基本、飼い主の見ている時だけの同居で、じわじわと様子を見ていきましょう。
「先住猫優先」ということはよく言われますよね。
幼い子猫、不遇だった過去のある子など、新入りさんをついもてなしたくなる気持ちは出てしまうものですが…。
先住さんは「自分のナワバリを取られる」ことだけでも傷ついていますから、是非ストレスなく過ごせるような環境を整えましょう。
個人的な経験ですと、多頭飼いで一番大変なのは引っ越しの瞬間でした。
また「手術済ならオス・メスのペアが一番仲良し」というのが通説ですが、我が家では「じいじと孫」みたいな年齢差のオス同士が一番うまくいきましたので、ネコも個性だなって思います。
人間にも「ひとりっ子に生まれたかった」などと思うケースがあるのですから、ネコにだってもちろん個々の言い分があるでしょうし、またネコならではの本能的な特性も関係してくるわけです。
飼い主として、先住猫さんに兄弟・相方を与えてあげたいと思うことは自然ですし、突発的な事態に遭遇して「不幸なネコさんを救いたい!」と感じることもあるでしょう。
でも命を預かる親代わりとして、上のようなこともよく考えて、新人さんをお迎えしたいものですね。
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ネコと反抗期の注意事項
ネコと反抗期の注意事項
ネコさんにも反抗期があるってご存知でしたか?
色々な説があるようですが、一般的には生後4から6週間前後、そして1歳未満くらいの頃に訪れると言われています。
■最初の反抗期は自立の芽生え
生後数週間で見られる反抗期は、成長による自立の芽生えと言えるようです。
一緒にお乳を飲んでいた兄弟を仲間とみなさなくなったり、母猫とすらケンカしたりするようになります。
もともとネコは群れで生きる本能はないので、徐々に自分の視野を広げ、縄張り意識や社会性を身に着けていくのですね。
人間の側としては、この時期のネコさんに手助けできることはなさそうですが…。
ただ、子猫の里親になる時、生後2か月前後で引き取るケースが多いので「この子がどういう幼少期を送ったのか」と聞いておくと、いいかもしれませんね。
■2度目の反抗期は大人の階段
生後1年に満たないくらいのネコさんに、反抗期が見られることがあります。
飼い主を威嚇するようになったり、テリトリー意識が高まったり、今までとおもちゃの趣向が変わったり。
人間の「思春期」に例える説明もあったりするのですが、人間の思春期を12~18歳頃とすると、まさにネコの1歳までに該当しますね。
ネコは早ければ生後半年で発情期を迎えますし、特にオスは尿のスプレー行動やサカリ声をあげることも増えてきます。
ひょっとしたらトイレの問題行動や、同居ネコへの攻撃が見られるようになるかもしれません。
反抗期的なたいていの問題行動は、適切な時期に去勢・避妊手術を受けることで改善すると言われています。
繁殖のために飼っている以外は、ネコさん自身の心と体の負担も考え、手術を考えた方がよいですね。
[反抗的なネコさんへの対処法]
・態度を変えないようにする
・そっとしておく
・スキンシップをとる
・興奮させないようにする
・ケージに入れておく
・去勢・避妊手術をする
ネコと飼い主の関係が良好ならば、この頃までに飼い主は「別格のお母さん」とでもいうような存在になっているはずです。
この信頼は大事にするべきですね。
相棒ネコさんに荒々しい面が見えてきても、多少は目をつぶって静観してあげましょう。
でも、噛みグセが出てしまったときには厄介です。
むやみに叩いたりしても効果がなく、こじれるだけですが、さすがに意思表示をしないわけにはいきませんよね。
こういう時には別室、あるいはケージに一時隔離してみるのも一つの方法です。
叱りつけるよりもクールダウンの時間を設け、信頼関係をくずさないようにします。
気をつけなくてはいけないのは、ネコさんが反抗的な態度をとるようになった時、上にあげたような2つの成長期の事情などがない場合です。
体調不良や、多頭飼いの場合はテリトリーやトイレのトラブルなど、何かストレスを抱えている可能性も考えられます。
よく観察して、愛猫のサインを受け取ってあげたいですね。
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猫と骨折の注意事項
猫と骨折の注意事項
猫さんは、本当に高いところが好きですよね。
でも、いくら特有の素晴らしい運動神経があるとはいえ、骨折をしないわけではありません。
最近の家猫さんはご先祖よりも鈍くなっているそうですし…。
しかも、子猫が脱臼・骨折をすると、部位によっては死に至る可能性があるのは、人間の赤ちゃんと同じなんです。
それでは室内飼いの猫さんについて、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
[室内での危険ポイント]
・いつも爪を引っかけてしまう布類などがないか
・カーテンレールなど、危険箇所を気に入っていないか
・キャットタワーがグラグラしていないか
・お気に入りの高所の、足元(着地場所)が散らかっていないか
・人間のドアの開閉で挟まれないか
・ベランダに勝手に出ていないか、出す場合柵はあるか
・栄養の偏り、肥満由来の骨折
滑り止めグッズや家具の配置で、安全には注意してあげましょう。
特に子猫からは目を離さないこと、ケージ内をよじ登って足を引っかけてしまう可能性もあります。
背伸びでよじ登れない段差や階段は、保護柵などでしっかりとガードするべきですね。
飼い主や先輩猫さんへの後追いで、事故を起こしてしまっては大変です。
また、太り過ぎさんや高齢猫さんにも要注意ですね。
変な場所でイタズラしている子を驚かすのも危険です。
ビクッとして縦への猫ジャンプを繰り出したとき、つい引っかけてグキリ、ということがあるかもしれません。
狭いスペースでうっかり滑ってしまった場合は、低い場所でも受け身をとる余裕がないため、骨折してしまう可能性が考えられます。
[猫の骨折チェックポイント]
猫は高い場所から落下した場合には後ろ足やアゴ、低い場所から着地に失敗した場合などは、前足に骨折することが多いそうです。
骨折した場合の猫自身の行動には、次のような違和感が見られます。
・足をかばうように浮かせて歩く
・足を触られると嫌がる
・足が腫れている
・じっとしている時間が増えた
・どこかをかばって震えている
・食欲が落ちた
「骨折かも?」と思ったら、迷わず動物病院へ連れて行きましょう。
悩んでいるうちに、悪化してしまっては大変です。
我が家のやんちゃ猫くんは、油断したスキに家出してしまい、数週間後に戻ってきたときには後ろ足の指先を骨折しており、しかし変な形にくっついてしまったために、獣医さんでも治療のしようがなかった…という悲しい出来事がありました。
皆さんはそのようなことがないよう、ご用心くださいね!
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猫のこころの病気(後編)
猫のこころの病気(後編)
先日、猫の『こころの病気』としていくつか例に上げました。引き続き後半です。
・恐怖症
雷や花火、地震など日常生活には起こらないようなことに過剰に恐怖反応を示すことを言います。
症状としては、
・落ち着かなくなる
・いつもと違う場所で排泄してしまう
・物を壊してしまう
・攻撃的になる
などが上げられます。
対策としては、原因に対してまず慣らすところから始めましょう。
例としては、もし雷に恐怖心があるなら録音した雷の音(今はアプリなどで取れるかもしれません)を聞かせて徐々に慣らしていきます。
叱ると怒られることにさらに恐怖心を持ってしまうので逆効果です。
・心因性脱毛症
ストレスによって過剰なグルーミングをすることで、脱毛したり皮膚炎になることを言います。
原因としては、
・引っ越し
・家族が増えた など
普段とは違う環境の変化によって起こると言われています。
ペットホテルの預りや入院も原因のひとつとも言えるでしょう。
対策としては、環境に慣らすことです。
また、高いところや猫が隠れられる場所を用意してあげるだけでも違うかもしれません。
あまりにも精神疾患がひどいようでしたら、緊張を緩和してくれる内服薬の投与や、動物行動を専門に診ている動物病院もあります。
ぜひ参考にしてみてください。
ひい
猫の心の病気(前編)
猫のこころの病気(前編)
犬や猫にも人と同じように、様々なきっかけでストレスを感じることがあります。
どんなものがあるのかまとめてみました。
・分離不安症
・常同障害
・恐怖症
・心因性脱毛症
今回この記事では『分離不安症』と『常同障害』についてお話したいと思います。
・分離不安症
動物の愛着があるものから引き離されることによって不安や寂しさから問題行動を起こすことを言います。
症状としては、
・いつもと違う場所に排泄する
・吠え続ける(鳴き続ける)
・そわそわする、落ち着かなくなる
・物を破壊する
などが上げられます。
分離不安症は犬に多いですが、猫にも時々見られます。
留守番になれていない子や、飼い主が在宅時に強い愛情表現をすることで不安傾向が強く出てしまうと言われています。
対策としては、外出時や帰宅時に過度なスキンシップを取らないことや、留守番に慣れさせ、一人でも楽しく過ごせる工夫が必要になってきます。
・常同障害
ストレスが溜まると、全く関係のない行動を取ります。
症状としては、
・尾を追いかけて回る(尾追い)
・過度なグルーミング(それによって脱毛してしまう等)
・足先を舐める
などが上げられます。
原因としては、
・退屈
・不安
・環境の変化(出産、引っ越し等)
・コミュニケーション不足
などです。
原因を探り改善する対策を取るように心掛けましょう。尾追いが激しくなると、自ら尾を引きちぎってしまう場合があるので注意が必要です。
次回は、「恐怖症」と「心因性脱毛症」についてお話しします。
ひい
猫と紫外線の注意事項
猫と紫外線の注意事項
人間にとっては日焼けだけでなく、日光アレルギーや紫外線アレルギーと呼ばれる紫外線の害は、もはや一般的ですね。
真っ赤になる、斑点が出る、カサカサになる…などの、皮膚科の治療が必要な症状も知られています。
実は、猫の肌トラブルにも、紫外線が原因となるものがあるんです。
ふわふわの被毛に覆われていて、しかも日なたが大好きの猫さんがまさか…と思ってしまいますよね。
私も驚いたのですが、実際に「日光皮膚炎」、「日光過敏症」などと呼ばれる症状があるんですね。
日光過敏症…こんな症状が出たら注意!
・皮膚が赤くなる
・季節以外の脱毛
・カサカサかさぶたができる
・かゆがっている
もちろん、強烈な日差しに対しては、まずは熱中症に気をつけるべきです。
しかし、先に挙げたような皮膚炎の症状があり、かつ他のアレルギー要因(細菌、真菌の感染、寄生虫、食物アレルギー、心因性のストレスなど)に心当たりがない場合は…。
「紫外線が原因かしら?」と疑って、獣医さんに相談した方が良いようです。
特に、他に異常が見られないのに、毛の薄い耳の先端や口まわりに発疹や赤みの症状が見られて痛々しいときには、要チェックです。
日光過敏症は、慢性化するとガン化(扁平上皮癌)することも稀にあるそうなので、注意が必要ですね。
日光過敏症にかかりやすい猫の種類
紫外線の影響を受けやすい品種は報告されていないようですが、以下のような猫さんは要注意です。
・体毛が白い
・体毛が薄い
・室外で飼育している
・高齢猫
日光過敏症は紫外線による肌のアレルギー症状だと考えられていますが、詳しい発症のしくみは分かっていません
。
毛色の薄い猫、遺伝的にメラニン色素が少ない猫に多く見られると言われています。
日光過敏症の対策
紫外線が原因だとしても、猫さんが皮膚炎になってしまった場合は、治療は獣医さんでステロイド系の薬を処方してもらうのがメインとなりますが、飼い主ができることはあるのでしょうか。
・できるだけ紫外線を避け、外出させない
・UVカットシートやガラスの利用
・日焼け止め
猫さんは日なたが大好きですから、日光浴をすべて禁止するのは可愛そうですよね。
ただ、栄養学的には、猫族は人間のように日光からビタミンDを摂取する必要はないそうなんです。
ですから、紫外線アレルギーだと確定した場合には、猫さん専用の窓にUVコート剤を塗ったりシートを貼ったりするのが良いようです。
ネットでは「日焼け止めを塗るといい」という記事も見かけますが、人間用のものは害になる場合もあります。
あくまでノンケミカルなものを選んで、獣医さんに相談してから使用を決めたほうが良いでしょう。
日光…紫外線を浴びることが、全ての猫に悪いと言うわけではありません。
ただ、皮膚炎の原因が他に思い当たらない場合は、紫外線が原因の場合も考えられる、というお話でした。
我が家にも毛色の薄い、ダブルコートの毛並みでない猫さんがいるので、少し注意しなくては、と思っているところです。
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ホットスポットって知ってる?
ホットスポットって知ってる?
皆さんは『ホットスポット』という言葉を知っていますか?
別名では、『急性湿性皮膚炎』又は『化膿性傷創皮膚炎』と呼ばれる皮膚炎のことです。
・ホットスポットになるきっかけは?
何かしらの原因で体表に赤い小さな湿疹が出来たときに、湿疹の痒みから患部を舐めたり、噛んだりすることによって蒸れて細菌が繁殖し、皮膚炎を起こします。
・どんな症状?
その後病変が脱毛し、円形状の赤く剥けた皮膚が露出します。症状としては強い痒みを伴います。
高温多湿な環境であると、皮膚炎を引き起こしやすくなるので注意が必要です。
毎日は難しいかもしれませんが、ブラッシングを心掛ける習慣を付けると猫さんの日々の皮膚の状態が分かると思います。
ブラッシングが苦手な子には、まず体を触ることから始め、少しずつ慣らしていきましょう。
あなたと猫のコミュニケーションに皮膚炎の予防がお役に立ちますように。